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「乱歩に影響受けた」自殺サイト殺人の前上容疑者

ヤフー!ニュースから。

これまで、何らかの事件が起きたときに犯人の自宅からゲームや雑誌が見つかったりするとすぐに「アレは残酷なゲーム(あるいはエロゲー)をやりすぎた(あるいは雑誌を読み過ぎた)犯人がゲームと現実の区別が付かなくなってしまったのが原因だ」とかもっともらしい事が語られたあげく、「だからゲーム(あるいは雑誌)を規制しなければならない」という短絡的な発想へ結びつき、業界に色々な圧力がかかったりしたこともあった。

んで、今回ですが、自殺サイトでだまくらかした被害者を殺した犯人が「江戸川乱歩の小説に影響を受けた」と供述したことを受けて、これまで小うるさく文句を言ってきた人々はどういう反応を示すのか興味深い。

新聞では乱歩の作品自体を批判するよりも、それを好んだ心理状態を問題にしているが、ゲームが原因などと言われたりする他の事象でも同じではないか?

そんなワケで、ゲームやアニメと同じで「江戸川乱歩は退廃的でイカン。青少年に悪影響を与えるから、12歳未満には売ってはいけない」などと規制することを主張するのか?それとも、既にある意味 文学的な地位が認められている”大乱歩”には、そんなことは言わない(言ってはいけない)のか?どうなるんでしょうか。

で、今回仮に「いかに乱歩でも、やはり規制すべき」という意見が強くなったとして、その後にたとえばとてもヒドイ事件を起こした犯人が動機を聞かれ「太陽のせい」などと語り、自宅からカミュの著作が発見されたりしたら、カミュの著作にも販売規制をかけるのかね。

おそらく、そういう場合は特に問題にせず「心神喪失」等と判断がくだされて、供述自体がムシされるに違いない。

結局、裁く側の主観(世間的に”文学”などと権威が認められているものはエラクて、認められてないものはイカガワシイということ)でイイワルイが決められるのはしょうがないと思うけど、その主観が絶対に正しいと思いこむのは間違いであります。

事件を起こすときの心理状況はおそらくとてつもなく複雑で「ゲームやりすぎたから」とか「雑誌を読みすぎたから」というのはその原因の一つにはなるかも知れないけれど、だからといって必ずしもそれだけで事件を起こすワケではないと思う。それらの要因を取り除いても、やっぱり事件が起きるときには起きる。

まあ、犯人としても犯罪を犯した何らかの合理的な理由を認識することで、自分自身の心の中の整理ができるという事もあり、むりやり身近なものに原因を求めてしまうんじゃないかな。

人間の日々の行動には突き詰めてゆけば、それぞれ理由があるんだろうけど、それはいろんな要素が絡み合った上げく、あるタイミングで発生してしまうものであって、それを具体的に認識するのは困難であって、後にその理由を考えたとき、とりあえずそれっぽい事をでっち上げて安心しているってのがオレたちの日々の生活なんじゃないかな。(人間、訳のわからないものはコワイし、そんな状況は不安なもんであります)

最後はいきなりデカイ話になりましたが、まあ、そういうことで。

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