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「墜落」読了

賞を取ったりしてるけど、あまり話題にはならないけれど、確実にすごい作家である東直己の作品です。図書館で見付けてソッコー借りる。東氏はエッセーで「好きな本は図書館で借りずに買って読め!」と書いていたけど、借りてしまいました。すみません。

で、昨日から読み始めて、通勤電車で少し読み、今日は新潟への出張移動の飛行機・新幹線で読み続け、帰りの車中で読み終えましたので、さっそく感想を。

作品としては「探偵畝原モノ」で、前作で大変な目にあった明美と結婚し二人の娘(それぞれの連れ子)+1と3人の娘の父親になった畝原の活躍を描いています。その他、おなじみの横山貴、祖辺嶋、女傑山岸、玉木なども登場するのもうれしい。(ただし、それぞれが年取ってて、タクシーの運転手太田さん、横山社長が出てこないのは寂しいけど)

オレは畝原ものは第一作の短編(中編?)から読んでるので、畝原と姉川明美の出会いや、真由や冴香の小学生時代から知ってるし、貴もまだまだ若造の頃から知ってるしで、小説の中のことだけど、なんだか自分の家族や子供たちが大きく立派になった気がして、本筋とは関係無くカンドーした。姉川と畝原が結婚したってことも、ちょっと言い訳じみた理由も書いてあったけど、素直にうれしかった。

で、内容というと、はっきり言って代わり映えしない気もしないわけでもない。なんて、歯切れの悪い事書いてるのは、読んでて面白かったし、どんどん先を読みたくなるような作品だから悪口を言うには惜しい気がしたから。

テーマが今ひとつ絞りきれないっていうか、テーマって言うか物語のポイントがいろんな風に広がって、散漫な印象があったのがマイナスポイントかなとは思う。ミステリーの醍醐味ってのは、一件バラバラな出来事が、最後になって一点に収束して、見えなかった真相が判明するってことだけど、確かにこの作品にもそれはあるけれど、今ひとつ”くるモノ”が少ない。残念である。まっ、畝原モノってのは、北海道が抱える負の部分、闇の部分に対して、主人公らが憤ったり反逆したりするけど、結局根本的な解決はできないんだよ、っていう作者自身のあきらめや憤りが反映されている(と思う)から、作品全体の印象ってのは結果いつもこうなってしまうんだろう。

なんて書いてきたけど、「さすが東直己!」と言いたい。世の中に対して「それ、おかしいぞ」っていう気持ちの代弁と、本当の幸せを感じたければ是非読むべき。できれば、第一作からどうぞ。そうすれば、畝原一家の良さがよりいっそう実感できます。

で、75点の評価でゴンス。

それにしてもこの作品、登場人物の名前が読みづらい。わざとしているとしか思えない。オレは何度もページを元に戻して、ルビを振ってある部分を読み直したぜ。直己のイヂワルゥ。それともj編集者いぢめか?が、オレが読んだ一刷りでは一カ所誤植があったぜ。気をつけよう。

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