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「半島を出よ」 下巻読了

出張移動の新幹線の中、読み続けて「半島を出よ」下巻読了しました。

で、感想は?

まずは面白かったというのが正直なとこ。上巻読了時に「あいつらどうなったんだ?」というワカモンも頑張ったしね。途中は殺伐としたシーンが多く、ちょっとねぇ などと思ってたけど、ラストはハリウッド映画っぽい、いい話になってたので読後感は良好でした。

一方、この小説、下巻末に列挙されている膨大な参考文献群をみればわかるとおり、作者の村上龍氏が「オレっていっぱい勉強したもんねー。それをみんなに教えてあげる」的な長い説明が多くて面倒くさい。そういった説明をバサバサ切り落とすともっとすっきりしたと思う。また、章ごとにいろんな人の視線からの語りになっているけど、時系列に進んだ後にまた戻ったりしすぎで、ちょっとまどろっこしい。

一つのイベントを多角的に描くとき、同じ場面をいろんな人の視点から描くって手法はよくあるけれど、この小説の場合、それぞれの章の中心人物の心象風景や感情が中心に描かれてるので、後半のクライマックスに向かう場面では「はやくはやく、次はどうなるんだ?」というオレの気持ち的には、今ひとつ。もっとテンポよく物語が進んで欲しかった。

まっ、北朝鮮の兵隊たちを単純な「悪」と描いておらず、それぞれ個人の視点から個人の価値観を基準に描かれてて、そういった点が読者をちょっと不安にさせたりと、多くの人の視線から多角的に物語りを描いたのは成功だったと思いますけど。

あっ、それから物語中の出来事で「あれっ?こんな事さっきの章で起こってたっけ?」というような章ごとに微妙に違ってたりした事がある気するのはオレだけ?

それは置いといても、ふがいない日本政府をはじめとする日本のオトナではなく、社会からはみ出したワカモンたちが重要な活躍をするわけで、それって強力な動機があったわけではなく「ヤツラ、気にくわないな、いっちょやってやるか、暇だしな」という2ちゃんねる的なノリでデカイことをやってしまうってのも現代的な感じで、そういった点に目をつけた村上龍はエライと思いますた。「希望の国のエクゾダス」でもあったけど、村上龍氏には”子供たちが堕落した大人たちをさしおいて何かデカイことをする”っていうことにが希望なんでしょう。

いずれにせよ、なかなか面白かったね。体調が今ひとつの時に読んだもんで、多少疲れ気味。本を読んで疲れたのは福井晴敏がノベライズした「ターンAガンダム」の小説を読んだとき以来だね。

で、評価は70点。なんで、今のところオレにとっての村上龍作品のベストは「愛と幻想のファシズム」で、得点は80点(くらい。もう読んだ記憶が曖昧。面白かったって印象のみ)

最後に、村上龍が戦争を描いたもの(”五分後の世界”とか)はその戦闘描写が容赦がないね。その残酷性が嫌いな人は嫌いだろうけど、実際には映画みたいにかっこよくはないと言うことを言いたいんだろう。「それでもおまえらは戦争するのか?こういった現実を知らずにおまえらは平和と叫んでいるのか?」ってことかな。

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